■標本:展足の方法
標本:展足の方法
人により、展足のやり方はマチマチで、型など様々あります。
下に御紹介している方法は私的ですので、間違えもあろうかと思いますが、
ご参考にして頂けると有難いです。
■展足する個体を洗う
【個体の状態と対応】
■生きている場合(1):後の事を考えると、酢酸エチルなどでシメると良いでしょう。
■生きている場合(2):薬品が手に入らない場合は、沸騰したお湯に数分浸けて、ダニなども一緒に落とす事が良いでしょう。
■死んでいる場合:軟化が必要な個体は沸騰したお湯に浸け、個体の大きさによりますが2日程経ってから取り出して下さい。
【洗う】歯ブラシなどを用いて汚れなどをキレイに落として下さい。また、腐乱の激しい個体などは、洗う事で部品が欠損してしまう恐れがありますので、どちらでも良い。
■水分を切り、関節部を柔らかくする。
ティッシュやタオルなどで、よく水分を拭きます。
次に、個体の関節部などを、予めよく動かせて柔らかくしておきます。
■展足-1
関節部が柔らかくなった個体を、厚めのコルクボードなどの上で展足します。
■展足-2
先ず、基本となる胸部と腹部の間に強く針で固定します。
このとき、個体が上に浮き上がるのを押さえる為、画像のように針をクロスさせます。
■展足-3
胴体を針で固定出来ましたら、大顎を固定します。大顎の両脇に真っ直ぐ針を刺して固定し、大顎の下から斜めに針を刺して大顎を上に上げます。最後に大顎の上に斜めの針を刺して固定します。この作業はバランスが難しく、大顎は開けすぎず閉じすぎず、上げすぎず下げすぎず、そして胴体とのバランスが大切です。
■展足-4
後で大変ですので、触角の根元を針で上げておきます。
このとき、触角元の部分は※真横を向くようにして下さい。
※=種によって違いがあります。触角とフセツが重なる場合、斜めにする事もあります。
■展足-5
前足体節部を体から真横にして、真っ直ぐ両脇を針で固定します。
■展足-6
前足のケイ節部も両脇を真っ直ぐ針で固定し、ケイ節の下から斜めに針を刺して、ケイ節を上に上げます。高さは真横から見たとき、体に対して水平にして下さい。若干上がるのも良い。フセツを残し、両方の前足をこの状態にする。
■展足-7
次に、後足を前足と同じように体節を真横にして針で固定する。
針を刺すとき、上羽の両脇に当たるようにすれば、腹部の左右の固定にも繋がる。
■展足-8
後足のケイ節部も両脇を真っ直ぐ針で固定し、ケイ節の下から斜めに針を刺して、ケイ節を上に上げます。高さは上羽側縁に合わせる。
■展足-9
中足も前後と同じようにする。
足の向きは、体節はやや上げ気味で、ケイ節は後足関節部に接触しない程度。
■展足-10
現在、このような状態。
■展足-11
次は、フセツ部に移る。
前足フセツから、ケイ節と水平にフセツを針で固定する。ピンと真っ直ぐが良いでしょう。
■展足-12
フセツを固定したら、ツメを2本の針で固定する。
ツメは少し開いてツメの間にあるものを見せる。開きすぎはあまり良くないでしょう。
■展足-13
中足フセツの固定。
前足と同じ要領で行い、フセツの向きはケイ節に対して真っ直ぐ。
■展足-14
後足フセツの固定。
前,中足と同じ要領で行い、フセツの向きは体に対して真っ直ぐ下へ。
■展足-15
現在、このような状態。
最初の基本となる針が強く刺さっていれば大丈夫です。残るは触角のみ。
■展足-16
触角の根元部しか固定していない状態から、アンテナ部をやや直角に曲げて針で固定する。
この作業は少し長い針を用いれば楽に出来ます。
■展足完了
展足完了。
この状態のまま約1ヶ月〜2ヶ月乾燥させる。酢酸エチルで処理していない個体は、横に防虫剤を置く事をお勧めします。
■標本として-1
乾燥後、全ての固定針を外して、昆虫針を刺す作業にうつる。
■標本として-2
昆虫針をさす位置は画像の辺りが良いと思います。
注意点は-
■個体に対して真っ直ぐ。
■個体に合った針の太さを選ぶ。なるべく細い方がお勧めです。
■標本として-3
昆虫針を刺し終えましたら、標本箱へ入れる事を前提に高さを調節します。
平均台にて、個体の上面の高さを揃えるのもよし、下面の高さを揃えるのもよいでしょう。
■標本として-4
個体に関するデータラベルをつける。種名称,産地は書いておきましょう。
WDの場合、採集者,採集日,産地や標高,サイズなどのデータ記載が良いでしょう。細かくすれば、採集状態や天候も!
■標本として-完成!
個体データラベルを付けましたら、立派な標本となります。
その後は標本箱へ入れる事をお勧めします。
■標本
出来上がった標本を早速標本箱へ!
標本箱の中には、防虫剤と乾燥剤を入れておく事をお勧めします。交換時期は半年〜1年として下さい。
人により、展足のやり方はマチマチで、型など様々あります。
下に御紹介している方法は私的ですので、間違えもあろうかと思いますが、
ご参考にして頂けると有難いです。
■展足する個体を洗う
【個体の状態と対応】
■生きている場合(1):後の事を考えると、酢酸エチルなどでシメると良いでしょう。
■生きている場合(2):薬品が手に入らない場合は、沸騰したお湯に数分浸けて、ダニなども一緒に落とす事が良いでしょう。
■死んでいる場合:軟化が必要な個体は沸騰したお湯に浸け、個体の大きさによりますが2日程経ってから取り出して下さい。
【洗う】歯ブラシなどを用いて汚れなどをキレイに落として下さい。また、腐乱の激しい個体などは、洗う事で部品が欠損してしまう恐れがありますので、どちらでも良い。
■水分を切り、関節部を柔らかくする。
ティッシュやタオルなどで、よく水分を拭きます。
次に、個体の関節部などを、予めよく動かせて柔らかくしておきます。
■展足-1
関節部が柔らかくなった個体を、厚めのコルクボードなどの上で展足します。
■展足-2
先ず、基本となる胸部と腹部の間に強く針で固定します。
このとき、個体が上に浮き上がるのを押さえる為、画像のように針をクロスさせます。
■展足-3
胴体を針で固定出来ましたら、大顎を固定します。大顎の両脇に真っ直ぐ針を刺して固定し、大顎の下から斜めに針を刺して大顎を上に上げます。最後に大顎の上に斜めの針を刺して固定します。この作業はバランスが難しく、大顎は開けすぎず閉じすぎず、上げすぎず下げすぎず、そして胴体とのバランスが大切です。
■展足-4
後で大変ですので、触角の根元を針で上げておきます。
このとき、触角元の部分は※真横を向くようにして下さい。
※=種によって違いがあります。触角とフセツが重なる場合、斜めにする事もあります。
■展足-5
前足体節部を体から真横にして、真っ直ぐ両脇を針で固定します。
■展足-6
前足のケイ節部も両脇を真っ直ぐ針で固定し、ケイ節の下から斜めに針を刺して、ケイ節を上に上げます。高さは真横から見たとき、体に対して水平にして下さい。若干上がるのも良い。フセツを残し、両方の前足をこの状態にする。
■展足-7
次に、後足を前足と同じように体節を真横にして針で固定する。
針を刺すとき、上羽の両脇に当たるようにすれば、腹部の左右の固定にも繋がる。
■展足-8
後足のケイ節部も両脇を真っ直ぐ針で固定し、ケイ節の下から斜めに針を刺して、ケイ節を上に上げます。高さは上羽側縁に合わせる。
■展足-9
中足も前後と同じようにする。
足の向きは、体節はやや上げ気味で、ケイ節は後足関節部に接触しない程度。
■展足-10
現在、このような状態。
■展足-11
次は、フセツ部に移る。
前足フセツから、ケイ節と水平にフセツを針で固定する。ピンと真っ直ぐが良いでしょう。
■展足-12
フセツを固定したら、ツメを2本の針で固定する。
ツメは少し開いてツメの間にあるものを見せる。開きすぎはあまり良くないでしょう。
■展足-13
中足フセツの固定。
前足と同じ要領で行い、フセツの向きはケイ節に対して真っ直ぐ。
■展足-14
後足フセツの固定。
前,中足と同じ要領で行い、フセツの向きは体に対して真っ直ぐ下へ。
■展足-15
現在、このような状態。
最初の基本となる針が強く刺さっていれば大丈夫です。残るは触角のみ。
■展足-16
触角の根元部しか固定していない状態から、アンテナ部をやや直角に曲げて針で固定する。
この作業は少し長い針を用いれば楽に出来ます。
■展足完了
展足完了。
この状態のまま約1ヶ月〜2ヶ月乾燥させる。酢酸エチルで処理していない個体は、横に防虫剤を置く事をお勧めします。
■標本として-1
乾燥後、全ての固定針を外して、昆虫針を刺す作業にうつる。
■標本として-2
昆虫針をさす位置は画像の辺りが良いと思います。
注意点は-
■個体に対して真っ直ぐ。
■個体に合った針の太さを選ぶ。なるべく細い方がお勧めです。
■標本として-3
昆虫針を刺し終えましたら、標本箱へ入れる事を前提に高さを調節します。
平均台にて、個体の上面の高さを揃えるのもよし、下面の高さを揃えるのもよいでしょう。
■標本として-4
個体に関するデータラベルをつける。種名称,産地は書いておきましょう。
WDの場合、採集者,採集日,産地や標高,サイズなどのデータ記載が良いでしょう。細かくすれば、採集状態や天候も!
■標本として-完成!
個体データラベルを付けましたら、立派な標本となります。
その後は標本箱へ入れる事をお勧めします。
■標本
出来上がった標本を早速標本箱へ!
標本箱の中には、防虫剤と乾燥剤を入れておく事をお勧めします。交換時期は半年〜1年として下さい。