■標本:展翅の方法

標本:展翅の方法
人により、展翅のやり方はマチマチで、型など様々あります。
下に御紹介している方法は私的ですので、間違えもあろうかと思いますが、
ご参考にして頂けると有難いです。


■展翅をする為の準備

主に用いるものを御紹介致します。
■傾斜展翅板
■展翅テープ/蝶研出版 スーパー展翅テープ
■パール針,ロングマチ針
■ペン針
■志賀無頭針00号〜

■展翅:1

展翅する個体の大きさに合う、展翅板と展翅テープを準備します。

■展翅:2

展翅テープの端っこを画像のように折り曲げます。

■展翅:3

内側の溝に合わせて展翅テープを固定します。

■展翅:4

※展翅テープを固定するとき、テープが下の方まで内側の溝に合うようにします。
これで、展翅の準備が完了しました。

■展翅:5

蝶をやさしく持ち、バラバラの足を纏めます。

■展翅:6

胴体に無頭針を刺します。この蝶の場合は1号を用いました。
※針は真っ直ぐに刺します。スッと刺さる場所があり、そこがポイントとなります。

■展翅:7

針を刺した個体を準備のできた展翅板溝の真ん中に刺します。
※ここの作業で真っ直ぐに刺せなかった場合、キレイな展翅が出来ません。
■展翅:注意点1参照

■展翅:8

真ん中に個体を据えましたら、展翅テープを翅の上へ。

■展翅:9

翅脈にペン針をそっとかけて、上羽の下側が真横になるぐらいまで、上へずらしていきます。

■展翅:10

上へずらした羽が下がらないように、針を打ちます。

■展翅:11

展翅テープをピンと張りながら、上羽を固定します。

■展翅:12

次に下羽を形を整えて固定します。

■展翅:13

展翅テープをピンと張りながら両方の羽を固定しますが、必ず展翅テープは溝沿いに!

■展翅:14

羽の整えが終わりましたので、次は触覚を整える作業に移ります。上羽内側に針を刺しておくと触覚を整える作業が楽になります。

■展翅:15

展翅板と展翅テープの間に触覚をいれます。

■展翅:16

触覚をペン針で真っ直ぐになるように引っ張ります。羽のラインとやや平行にするといいようです。

■展翅:17

両方の触覚整えが完了しました。触覚がダラッとしていますと、かっこ悪い標本になってしまいます。またこの作業はやや難しく、引っ張りすぎると直ぐに切れてしまいます。
■展翅:注意点2参照

■展翅:18

最後に腹部を整えます。腹が下がっている場合、腹の下に綿を置いて腹部が水平になるようにするのも良いと思います。
これで、展翅の終了です。

■展翅:19

展翅テープが溝沿いに真っ直ぐを心がけて、残りのスペースも同じように展翅してみましょう。

■展翅:20

この状態で2ヶ月〜3ヶ月間、乾燥させます。

■展翅:21

乾燥が終わりましたら、針を外します。

■展翅:22

慎重に展翅テープをとります。この時、傷等から出た体液が固まり、部品と一緒にデープにくっ付いている場合がありますので御注意下さい。

■展翅:23

展翅テープを外したら、胸に刺した針を持ち、水平に標本を展翅板から外し、個体のデータをラベルにして添付します。

■展翅:24

展翅完成!
画像は西表島産カラスアゲハ♀になります。

■展翅:25

完成した標本は標本箱へ入れましょう。

■展翅:注意点/1

■展翅:7で失敗した例。溝の真ん中に刺していないので、全体が歪んでいます。

■展翅:注意点/1-2

溝の真ん中に刺し直して、展翅しました。

■展翅:注意点/2

■展翅:17で失敗した例。最初のうちは、かなり失敗してしまうようです。
苦手な場合は無理をせず自然な形でOK!